「3歳になったけど、まだ階段を一段ずつしか登れない」「走り方がどこかぎこちなくて気になる」「同じ年齢の子と比べると、運動面で遅れているように感じる」。こうした心配をお持ちの保護者の方は多くいらっしゃいます。

運動の発達には個人差がありますが、大まかな目安を知っておくことで、お子さまの状態を客観的に把握することができます。この記事では、年齢ごとの粗大運動の発達目安を解説し、運動発達を支えるために家庭でできることをお伝えします。

粗大運動の発達目安

粗大運動とは、身体全体を使った大きな動きのことです。歩く、走る、跳ぶ、登るなどが含まれます。以下はおおよその発達目安ですが、個人差があることを前提にご覧ください。

1歳〜1歳半ごろ

  • 一人歩きが安定してくる
  • しゃがんで物を拾い、また立ち上がれる
  • 手すりや壁を使って階段を登り始める

2歳ごろ

  • 走り始める(まだ転びやすい)
  • 手すりを持って階段を一段ずつ登れる(両足を揃えてから次の段へ)
  • ボールを足で蹴ることができる
  • 低い段差からジャンプしようとする

3歳ごろ

  • 交互に足を出して階段を登れるようになる
  • 走り方が安定し、急に止まったり方向を変えたりできる
  • 両足を揃えてジャンプできる
  • 三輪車のペダルを漕げるようになる

4〜5歳ごろ

  • 片足でケンケンができる
  • スキップができるようになる
  • 階段を交互に足を出して降りられる
  • ブランコの立ちこぎができるようになる

これらはあくまで目安であり、数ヶ月の遅れは正常範囲内です。ただし、同年齢の子どもと比べて明らかに差がある場合や、以前できていたことができなくなった場合は、専門家への相談をおすすめします。

階段と走りの動作に必要な力

階段を登ることや走ることは、単純な動きに見えて、実は複数の力が連携して成り立っています。

  • 体幹の筋力:身体の中心(体幹)がしっかり安定していないと、手足を効率よく動かすことができません。階段で片足を上げるときも、体幹が身体を支えています。
  • バランス感覚(前庭覚):重心を移動させながら姿勢を保つ力が必要です。階段では一歩ごとに重心が変わり、走るときは常にバランスを調整し続けています。
  • 固有覚(身体の位置感覚):自分の足がどこにあるか、どのくらい力を入れればよいかを感じ取る力です。階段の段の高さに合わせて足を上げたり、走るスピードに合わせて足を運んだりするのに必要です。
  • 左右の協調性:階段を交互に足を出して登るには、左右の足を別々にタイミングよく動かす力が必要です。走るときの腕振りも、左右の協調運動です。

運動がぎこちないお子さまの場合、これらのどこかに課題があることが多いです。どこに課題があるかによって、支援の方向性が変わってきます。詳しくはPTが解説する感覚と運動のつながりの記事もご参照ください。

体幹の弱さと運動発達の関係

運動の発達に課題があるお子さまに共通して多く見られるのが、体幹の弱さです。体幹が安定していないと、以下のような特徴が見られることがあります。

  • 椅子に座っていると姿勢が崩れやすい
  • 食事中に体がグニャッと倒れる
  • 走ると体が左右に揺れる
  • 階段で手すりがないと不安がる
  • すぐに疲れて「抱っこ」と言う

体幹は「身体の幹(みき)」であり、すべての運動の土台です。体幹が安定することで、手足を自由に動かすことができるようになり、運動全般がスムーズになっていきます。

家庭でできる運動遊び

運動発達を促すために、特別な道具がなくても家庭でできる遊びがたくさんあります。大切なのは、お子さまが「楽しい」と感じることです。

  • 動物歩き:クマ歩き(四つん這い)、カニ歩き(横歩き)、ペンギン歩き(つま先歩き)など。体幹や四肢の筋力を楽しみながら鍛えられます。
  • クッションの上で遊ぶ:不安定な面の上で立ったり座ったりすることで、バランス感覚と体幹が鍛えられます。
  • お布団の山登り:布団や枕を重ねて小さな山を作り、登ったり降りたりする遊び。階段動作の練習にもなります。
  • しっぽ取り遊び:タオルをズボンに挟んで「しっぽ」にし、追いかけっこ。走る・止まる・方向転換の練習になります。
  • まねっこ体操:大人の動きを真似する遊び。身体の動かし方を視覚的に学ぶことができます。

体幹を育てる遊びについては、体幹を育てる遊びのアイデアの記事でさらに詳しくご紹介しています。

理学療法士(PT)の評価が役立つとき

以下のような場合は、理学療法士による専門的な評価を受けることをおすすめします。

  • 同年齢の子どもと比べて運動面で明らかに差がある
  • 転びやすさが目立つ、よく物にぶつかる
  • 身体の動きがぎこちない、力の入れ方が極端
  • 運動を嫌がる、外遊びを避ける
  • 姿勢の崩れが著しい

理学療法士は、お子さまの筋力・バランス・協調性・感覚処理を専門的に評価し、一人ひとりに合った運動プログラムを作成します。苦手な動きを無理に練習させるのではなく、お子さまが楽しめる活動の中で、必要な力を段階的に育てていきます。

pocopocoには理学療法士が在籍しており、お子さまの運動発達を丁寧に評価したうえで、個別のプログラムを提供しています。運動面の発達が気になる方は、運動発達の遅れが気になるときのページもご覧ください。お気軽に見学・相談からお問い合わせください。